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主に東方projectの二次創作について綴る事を趣旨とした、個人的ブログです。 記事のほとんどはSS関連になると思います。
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11.23.09:25

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  • 11/23/09:25

02.26.01:02

作品集70「創作の果て」estine氏

 一言でこの作品を評価すると作品の題名である「創作の果て」、それが意味する所が如実に表れている作品。主観的な考えを述べる事になるが、創作の果てに得られる物とは万人によって異なる。或いは至極の踰越、或いは虚無感、或いは満足感――そういったものが多々存在する中で、この物語の鍵である自立人形を完成させた創作者アリスは、自身の目標であった至高の人形を完成させた事によって何を得られたのだろうか。
 そこを考える事でこの作品は深みを増す。登場人物達が感情のままに動く、ある種真直ぐな作品であるからか読み易く、また感情移入もし易い。そうして主な登場人物達が抱える悩みなどを直接垣間見れる心持ちもする。色々な意味で読者に優しく、エンターテイメントと評するに相応しい。
 物語を描き出す過程で、その表現方法は異なって行く。云わば「創作の果て」は直喩的な表現を重視した物語。小難しい表現を使わず、ありのままを描き出し、SSならではの楽しみがある。そうして読み終えた後、彼女らの見る世界がどうなっているかを、自然と悟っている事だろう。

 人里の中で人間を襲った妖怪が現れた、という報せを受けて退治に駆り出した霊夢は、難なく件の妖怪を始末する。が、その妖怪は人里の子供と仲が好かったと云う。その子供達から次々と非難を浴びせ掛けられ、霊夢は自身の存在価値について今一度考え直し始める。その頃アリスは念願であった完全なる自立人形の制作を終え、その行程の最終段階を残すのみという所まで漕ぎ着けていた。それが数奇な運命の交差点。悩む霊夢と自身の目的に忠実なアリス――二人は久方振りの再会を博麗神社にて果たす。
 物語はそうして動き始める。何処か歪な物語は、未だ幕を開いたばかりなのである。


 惜しむらくは戦闘描写。
 戦闘描写に必要なのは、その光景が目の前で繰り広げられているかのような躍動感、或いは相対する者が持つ想いの交差。そういったものが無ければ、凡そ文章という形で戦闘は楽しめない。この作品の中で一番の欠点があるとすれば、そこだと思いました。比較的長い場面だっただけに、そこが素直に楽しめないとなると、飽きが来る人も居るでしょう。この作品に於いてあの戦闘描写はとても重要な位置を占めているように思ったので、殊更惜しいと思ってしまいました。
 今後、筆力が更に向上した氏の作品を是非とも読んでみたいと思えました。
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02.24.21:48

作品集70「聲」過酸化水素ストリキニーネ氏

 死人に口なし心なし。
 死体は何をも語らず何をも伝えない。そうなってしまえば物云わぬ骸、醜い姿を晒す木偶となる。だから生者は生者らしく生気に満ち満ちた行動をしなければならない。死者を弔えるのは生者のみ、そうして死者を悼む事が出来るのもまた、生者だけなのだから。――そんな事を伝えられたような気がした作品。

 寒い寒い空気の冷えた朝、飼っていたペットが一匹死んだという報せをお燐から聞かされた。取り乱す彼女に、主人であるさとりは、宥めるとも諭すとも付かない云い振りで、「埋めなさい」と云う。遠く昔の日、己が身を傷付けてまで弔った死体の記憶――そんな過去の情景が、お燐の姿に重なったさとりは、過去を、未来を見据えて自らの妹の心境を慮る。心を閉ざした彼女は何を思って行動するのか、遠く昔の日、知らぬ間に与えられた傷跡は残っていやしないか、彼女は次第に過去の世界へと己を沈めて行く。
 辛く、寒い日の世界へと。

 対象の心を読むという複雑な設定があるさとりを上手く動かしている作品、とういうのが第一印象でした。しかし、一方で他の作品と一変した部分なども感じられず、設定をそのままに使っている感じを受けたのが、残念といえば残念な個所でもありました。生物の心の中は常にして騒がしいものですが、その騒がしさがあまり感じられず、混濁した思考が一切ないまるで機械のような登場人物達という風に思った、というのはいくらなんでも深読みが過ぎたと云わざるを得ませんが、出来る事ならもっと違ったアプローチを掛けて欲しかった、というのが本音です。けれどもその直情が直に伝わって来て、感情移入のし易い作品でした。

02.23.22:47

作品集70「地獄は良いとこ一度はおいで」 三文字氏

 読んでいて決して疲れないリズミカルな文章と、楽しげな様子が見えて来そうな地獄の光景を映した作品。長さはそれほどでもなく、先に云ったリズミカルな文章が、長かろうと短かろうと読者を疲れさせず、それどころか一文を読めばまた一文、そしてまた一文と読む事が止まらなくなるような楽しさが、この作品には込められている。読んで面白いと感じるのではなく、読みながら面白いと感じる作品という評価が、一番正しいのかも知れない。

 地獄は何時でも酔いどれ達が騒いでいる。そんな中で名を馳せた酒豪でもある星熊勇儀は、今日も今日とて盃を呷る。どんちゃん騒ぎの中、地底に住んでいる色々な妖怪が加わって行き、勇儀との飲み比べに敗北を喫する者が後を絶たぬ中、彼女は昔の友人を思い出す。地底と地上を繋ぐ穴の向こう、盃を共にした友人は何をしているのだろうか、そんな事を考えていると、彼女の前に見知った瓢箪が現れた。

 正に読み易いと云える作品。特に萃香と勇儀が再開した時の会話には心躍る感情を覚えました。お勧めの作品。

02.22.03:04

文章。

 「彼岸に逝く迄」のコメントにあった指摘を見て思った事。
 難解な単語を多用せず、ここぞという場面にのみ使用を制限した方が好いというものだったのですが、それを見て少々考えさせられました。web媒体のSSである以上読み易さは追及しなければならない点なので、これには大いに賛成しなければならないとも思ったし、また私自身雰囲気を作り出す為にそういう単語に頼っている所があるのかも知れません。しかし、そうすると私が私自身で尊重すべきだと思っていた個性を欠損するのではないか、とも一方で思うのです。

 けれどもやはり直すべき個所を指摘されている気もするので、どうしようかと悩んでいるのですが、ここは一つ実験的な意味でも難解と思われるであろう単語を控えた作品を執筆してみようかという結論に至りました。それで「らしくない」という評価があればそれまでですし、逆に好い評価が貰えれば成功という事にもなるでしょう。

 なので紅魔の連の創想話投稿は今少しの時間がかかりそうです。現在はそれよりも書きたいと思っている題材があるので、そちらを優先したいなと考えております。時間が経てば経つだけそういう意欲は失せて行ってしまう傾向が私にはあるので、なるべくその気持ちが衰退しない内に書いておきたいな、と。

 予定ではオリジナルキャラクターが登場する、読者を選ぶ作品となりそうですが、それでも全力を尽くして行きたいなと考えつつ、書き始めようと思います。正直な話をすると「彼岸に逝く迄」を投稿し終えてから、SSは全く書いていなかったもので、そろそろ書き始めなければ不味いという気もあります。やはりモチベーションを得る為にも、何か小説でも読みたいですね。私の創作意欲の大半はそういう所に力を貰っているので。
 執筆が滞ったりしている時に、他の方、それこそwebで見られるSS、市販の小説を読むなどをすると随分と意識は向上するものです。そうして、それと並行して技術も知らず知らずのうちに上がって行くものなのだと思います。しかし如何せん時間的な問題を考えると、そう読書に耽っている訳にも行かないので、どうにも難しい問題ですね。どうにかこうにか、そういう時間を作れるようになりたいです。

02.21.15:14

前の記事の文字について。

 もう理由が何やら判りませんが、何故か見れないのはあの記事に限られているようなので、文字列を選択して反転させてからお読み下さい。大変面倒な手間をかけさせる事になりますが、私にも原因が皆目見当も付かないので、どうしようもないです。

02.21.15:12

コメント返し。

  >阿求が異常に可愛かったです。
 それを感じて下さってとても嬉しいです。この物語を執筆する上で重視した事の一つなので。阿求は大人になっても綺麗というよりかは可愛い人になる気がする。


>いつものことながら風景が浮かんで来るような情景描写がすごいなぁと。 
>文章と阿求の乙女心が相俟って読み終わった後、せつなくなりました。願わくば幸せであって欲しいものです。

 映像から情報を伝える術を持たない小説という形として書く上で、情景描写はとても大切な要素の一つなのだと考えているので、そう思って下さったのなら感激の極みです。
 恋愛とは常に何かしらの代償と共にあるのだと思います。時にそれは暖かく、時に冷たく時に切なくありますが、阿求の気持ちは紛れもなく切なくありました。そうしてそれを感じていただければ作者冥利に尽きます。伝えたい事を伝えられたというだけで嬉しくなるものですから。 

>twinさんの作品を読んでいて思ったのですが、阿求ってtwinさんのお気に入りなんですかね? 阿求というか御阿礼の子の設定を。

 お気に入りというと、その通りかも知れません。しかしそれは阿求個人に留まる訳ではなく、やはり御阿礼の子という設定に起因しているのでしょう。生まれながらにして薄命の運命を背負う彼女達は、きっと常人ならば当然のように経験する事を経験出来ずに一生を終えるのだと思うと、彼女達が色々な経験をしている所が見たくなるのです。
 それだから儚い存在、可憐な存在、そんな幻想郷に生きる妖怪や人間とは何か違った雰囲気を醸し出している阿求――御阿礼の子に惹かれてしまいます。霊夢や霖之助といった他とは異なる存在感を放つキャラクターが私の作品によく登場するのも、同様の理由があるからやも知れません。彼らの中にある得体の知れぬ闇、それは恐れるものであるのと同時に、人を惹き付けるものだとも思うのです。



 と、コメントに返事を返すのと同時に色々と書いたので、日記に書く事がなくなってしまった訳なんですが、とりあえず一つだけ。
 「彼岸に逝く迄」は夏目漱石著「彼岸過迄」を参考にさせていただきました。彼の作品ある深みに近付けるような作品を書けるようになりたいと常々思っている尊敬の表れでもあります。
 そして私の文章に感想をくださった方、誤字を指摘して下さった方、ありがとうございます。

02.17.22:47

彼岸に逝く迄

東方創想話投稿作品九作目。
後書き。

続きを読む

02.16.18:43

作品集69「海をしらない彼女たち」いこの氏

 まず一番最初に驚かされたのは、文章のリズム。読み進めて行くのに一切の抵抗がありませんでした。それから穏やかに進んで行く物語が、結末に向けて次第に躍動して行く時には図らずも心臓の鼓動が早まりました。文字が直接情景を訴えかけて、そこにある光景を伝達してくるような――ある種快感にも似た感覚を感じられる、そんな作品だったと思います。何より御阿礼の子の有り様が読んでいて切ない、けれども何処か尊く思える事が出来ました。今、私も阿求のSSを執筆しているので、とても啓発された気分です。

 ざんざんざん。


 勢いもよく筆走る。
 僅かにくすんだ白色が紙、記すは文字の連なりを。
 黒なる墨にて白なる紙をば切り込み刻まんとするばかり。
 私がひとたび筆を動かすときは、躊躇いひとつあること無く。
 ――本文より抜粋。

 ある夏の一時、衣服の下に汗が滲み出てくるくらいには涼が必要となる時分、彼女がよく知る大妖が現れる。唐突に現れ、唐突な質問をして見せる彼女に、御阿礼の子は戸惑い、その答えに呻吟する。色々な事を考えて、必死に模索した結果、彼女が出した答えとは――。

 夏の一時にもう一度読み返したくなるだろう作品でした。
 是非とも、一読をお勧め致します。

02.15.18:53

作品集69「別れ紅」稲生氏

 紅に対する作者の解釈が実に面白い作品。
 序盤が冗長過ぎる感は否めないが、後半へと物語が進むにつれて、作品からは鮮やかな紅色が溢れ出す事だろう。文字を通して色を伝え、そして別れを告げる悲しき一文字「紅」。個人的には結末を最後まで描き切って欲しかったと思えるが、あるいはそれも作品を引き立てる要素なのかも知れない。が、それでも「紅」を別れの象徴としたこの作品、最後にどんな別れがあったのか、知りたいと思う気持ちは豪も薄れない。

 ある日唇に艶やかな色を塗った魔理沙が博麗神社へとやって来た。しかしその技術たるや未熟故、唇を飾った紅色は酷く不格好。そんな幼少時代の思い出を振り返っていた折、再び今度は少しだけ技術を上げた魔理沙が再び唇に紅を纏って博麗神社を訪れた。それから次第に紅色に関連した出来事を思い出し、霊夢はある想い出の中の人物と邂逅を果たす――。

 これほどまでに色鮮やかな作品はあまりみた事が無かった気がします。
 話としては良し悪しが分かれるものかも知れませんが、とても面白かったので一読をお勧めします。

02.14.17:54

近況。

 今書いてる作品が中々に長くなりそうで、次の作品集に移行した初めぐらいには投稿したいと思っているんですが、どうにも難しそうです。気分転換に短いのを書いてたりしていたからか、長い作品を書く事に疲れてしまい、筆が滞ってしまう事がままあるので、頭を抱えています。

 とりあえずは書き進めて行くしかないかな、と思いながら執筆をつづけていますので、幻想の詩などの投稿はまだ先の話になりそうです。こちらも結構長い方ですので。
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