11.22.10:48
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10.24.19:51
第五回東方SSこんぺ「おにんぎょうのロンド」綺羅氏
久し振りのレビュー。
というのも、何ともなしに、得点を見てから読んだ作品だったのですが、そんな軽い動機の元に読んだ作品をレビューしようと思い立ったのは、私から見て、この作品があまりにも素晴らしかったという理由以外にはありません。最早レビューすら必要しないくらい、知られている作品なのかも知れませんが、それでもこの作品を知らない方に、この感動を伝えたいが為に、ともすればほとんど利己的な理由から、こうして感想を書いています。
ある貿易商の息子に贈られた綺麗な西洋人形。
それは数多の不幸を眼にして来た、曰く憑きのものであった。
幼き日の記憶に残る、忘れ去られた玩具。それを再び思い出す時、彼は何を想い、何を憂うのか。
私がこのSSに得点を付けるとしたら、東方SSと、「きかい」というお題を考慮に入れ、且つ冷静な見方をしたという前提を踏まえれば、恐らくは九点を付けていた。が、読み終えた直後、正に感動に打ち伏せられている今の状況からして見れば、十点以外には付ける点数が見付からない。十点という点数上限の縛りが煩わしく思えるくらいに、私はこの作品を読み終えて、感動したのである。
特筆すべきは、綺羅氏の解釈の幅。雛のスペルカードや設定から、此処まで感動的な物語を創造する発想力、またそれを見事な形として完成させた筆力、どれを取っても非の付け所がない。特に、SSとしては結構な長さであるのにも関わらず、それを序盤以外には全く感じさせない読みやすい文章は、最も称賛されるべき所であろう。また、細かな所でも氏の技巧は窺い知れる。ただの会話文では、それとなく主人公の感情を伝えたり、物語の佳境では息を吐かせる間もないくらいの展開に読者を引き込む。そういう場面に合わせた文章故に、このSSはこれほどまでに読みやすく思われるのだと思う。
――本当に、身も蓋もない言い方をしてしまう事になるが、私はこの作品が東方と「きかい」というお題に縛られている事を何より惜しく思う。全ての縛りから抜け出していたのなら、この作品は更に良いものとなっていたのではないか、そんな邪推が頭の中にある。が、東方が無ければ生まれなかった作品であるのだから、この邪推は定めて邪推なのであろう。
ともかく、詳細の感想を書くとするなら、文字数が膨大な事になりそうなので、感想はこれくらいにする。一読に値する価値が、この作品には必ずある。このレビューを読んで下さったのなら、是非とも一読をお勧めします。
というのも、何ともなしに、得点を見てから読んだ作品だったのですが、そんな軽い動機の元に読んだ作品をレビューしようと思い立ったのは、私から見て、この作品があまりにも素晴らしかったという理由以外にはありません。最早レビューすら必要しないくらい、知られている作品なのかも知れませんが、それでもこの作品を知らない方に、この感動を伝えたいが為に、ともすればほとんど利己的な理由から、こうして感想を書いています。
ある貿易商の息子に贈られた綺麗な西洋人形。
それは数多の不幸を眼にして来た、曰く憑きのものであった。
幼き日の記憶に残る、忘れ去られた玩具。それを再び思い出す時、彼は何を想い、何を憂うのか。
私がこのSSに得点を付けるとしたら、東方SSと、「きかい」というお題を考慮に入れ、且つ冷静な見方をしたという前提を踏まえれば、恐らくは九点を付けていた。が、読み終えた直後、正に感動に打ち伏せられている今の状況からして見れば、十点以外には付ける点数が見付からない。十点という点数上限の縛りが煩わしく思えるくらいに、私はこの作品を読み終えて、感動したのである。
特筆すべきは、綺羅氏の解釈の幅。雛のスペルカードや設定から、此処まで感動的な物語を創造する発想力、またそれを見事な形として完成させた筆力、どれを取っても非の付け所がない。特に、SSとしては結構な長さであるのにも関わらず、それを序盤以外には全く感じさせない読みやすい文章は、最も称賛されるべき所であろう。また、細かな所でも氏の技巧は窺い知れる。ただの会話文では、それとなく主人公の感情を伝えたり、物語の佳境では息を吐かせる間もないくらいの展開に読者を引き込む。そういう場面に合わせた文章故に、このSSはこれほどまでに読みやすく思われるのだと思う。
――本当に、身も蓋もない言い方をしてしまう事になるが、私はこの作品が東方と「きかい」というお題に縛られている事を何より惜しく思う。全ての縛りから抜け出していたのなら、この作品は更に良いものとなっていたのではないか、そんな邪推が頭の中にある。が、東方が無ければ生まれなかった作品であるのだから、この邪推は定めて邪推なのであろう。
ともかく、詳細の感想を書くとするなら、文字数が膨大な事になりそうなので、感想はこれくらいにする。一読に値する価値が、この作品には必ずある。このレビューを読んで下さったのなら、是非とも一読をお勧めします。
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