11.23.13:12
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02.10.09:54
作品集69「嫉狂い」イセンケユジ氏
氏の作品を初めてお目にかかったが、私にとってこの作品は、創想話にて敬服した久し振りの作品であった。文体は古風なもので、私には何処か芥川龍之介に似ているように思われた。またそれに似合った物語展開は、飽きる事なく読み手を作中に取り込み、知らず知らずの内にその世界へと没頭させるのである。
世の誰彼からも天才と評される偉大な画家、桂は橋の建築に関わる事になる。そうしてその風景を是非に描いてみたいという気が起こり、ある日件の橋へと赴いた。
――果たしてそこには美しい少女が倒れていた。金色の髪の毛に、緑色の瞳、凡そ平凡とは到底云えぬ人物を前に、彼は芸術的感動と、ある種下心の混じった思いとで、声をかける。彼女は名を「パルスィ」と名乗った。そうして、彼の事を尊敬し、また敬愛している風に褒めた。それから桂は足繫くその橋へと赴く事になる。彼が死に至るまでに起こる凄惨な事件は、きっと読者の心を刺激して止まない事であろう。
上記のあらすじの通り、この作品ではオリジナルのキャラクターと、パルスィの物語が展開される。パルスィが持つ能力の面白く斬新な解釈と、天才画家である桂と彼女との関係に否応なしに着目する事になる作品だが、前半の何処か穏やかで切ない雰囲気は、後半になって驚嘆の極致に達する材料となる事だろう。私はこの作品を読み終えた後、ふと人に必然存在し得る嫉妬という情について考えてみた。そうしてそれを考えている内に、誰しもその魔の手に掛かる恐れはあるのだと気が付いた。
この作品はそういう訓戒を秘めたる元に、忘れかけていた恐怖の炎を再び我々の心頭に灯すのである。
長さも読み易く、私が是非にと勧めて止まない作品の一つ。
世の誰彼からも天才と評される偉大な画家、桂は橋の建築に関わる事になる。そうしてその風景を是非に描いてみたいという気が起こり、ある日件の橋へと赴いた。
――果たしてそこには美しい少女が倒れていた。金色の髪の毛に、緑色の瞳、凡そ平凡とは到底云えぬ人物を前に、彼は芸術的感動と、ある種下心の混じった思いとで、声をかける。彼女は名を「パルスィ」と名乗った。そうして、彼の事を尊敬し、また敬愛している風に褒めた。それから桂は足繫くその橋へと赴く事になる。彼が死に至るまでに起こる凄惨な事件は、きっと読者の心を刺激して止まない事であろう。
上記のあらすじの通り、この作品ではオリジナルのキャラクターと、パルスィの物語が展開される。パルスィが持つ能力の面白く斬新な解釈と、天才画家である桂と彼女との関係に否応なしに着目する事になる作品だが、前半の何処か穏やかで切ない雰囲気は、後半になって驚嘆の極致に達する材料となる事だろう。私はこの作品を読み終えた後、ふと人に必然存在し得る嫉妬という情について考えてみた。そうしてそれを考えている内に、誰しもその魔の手に掛かる恐れはあるのだと気が付いた。
この作品はそういう訓戒を秘めたる元に、忘れかけていた恐怖の炎を再び我々の心頭に灯すのである。
長さも読み易く、私が是非にと勧めて止まない作品の一つ。
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02.09.20:09
永遠亭
02.08.18:23
作品集69「あなたへの月」人比良氏
創想話に投稿されている氏の作品を全て読んだ訳じゃないが、その一部を読み漁っていた私は、すぐに氏の文体や物語の雰囲気、主旨などが好きになった。それだから今回投稿された氏の新作が創想話の中で私の目に入った時などは嬉しくて堪らなかったものである。
物語は咲夜が自らに対して持つ疑問を考える事から始まる。「悪魔の犬」「吸血鬼の従者」――自分が称される二つ名など幾多ある中で、それでも彼女は自分が何なのか、という自問に対する本当の答えを見付けられない。やがて、そんな事をつらつらと思い浮かべながら紅魔館の廊下を一人歩いていた彼女は、ある人影を見つける。それは彼女にとって気になる存在。ヒトか否か、それを尋ねたいと思う人間であった。
今回の作品では氏の作品の中で頻繁に存在を主張してくる残酷性や、物語の背景に潜む暗さなどはあまり感じられない作品になっているように思われる。主な登場人物である咲夜と魔理沙、その何処か剣呑な距離と、咲夜が自分に対して持っている「自分とは何なのか」という疑問が、見事に作風の中に取り込まれていて、読んでいて読み手を不思議な気分にさせてくれるような作品となっている。
特筆すべきは淡々と物語を進ませる事により、この作品の良さを際立たせている、氏の筆力である。咲夜の一人称の場面は彼女の心情を判り易く表現する事により、彼女が持つ疑問を判り易くし、そこに魔理沙が介入してからの展開は何処か艶めかしい空気が漂ってきて、何故だかはらはらする。
私はとことんまで物語の中に含まれる残酷性などを、氏の作品から見れる事を期待していたが、今回の作品はそういう人で楽もしめると思う。不安定な咲夜が起こした奇妙な行動は、やがてどういう形となって現れるのだろうか。
02.05.00:38
事情説明。
この度、URL変更のお知らせという事で、前のブログにも一応連絡を致しましたが、何分気付きにくい所にあるので、このブログに来訪して下さっている方々が混乱しないか心配なのですが、大丈夫でしょうか。
何とブログを編集する為のパスワードを忘れるとは思っておらず、ログインすら出来ない状況下で、何故かブログの管理画面だけは使う事が出来たのですが、いつそこも使えなくなるか判らないので、ブログのログをエクスポート出来る内にして、移転を計画しました。結果ほとんど同じ内容のブログを作る事が出来ましたが、前のブログが削除出来ないのは相当痛いです。何しろ管理画面へのログインが出来ない状態ですので、退会も出来なければ削除も出来ません。暫くは放置しておくしかないようです。
何とも自分の馬鹿さ加減が恨めしいのですが、どうかご容赦ください。近日中にプチか創想話に作品を投稿すると同時に、URL移転のお知らせも兼ねさせて頂くつもりです。URLが変わっただけですが、再びよろしくお願いします。
何とブログを編集する為のパスワードを忘れるとは思っておらず、ログインすら出来ない状況下で、何故かブログの管理画面だけは使う事が出来たのですが、いつそこも使えなくなるか判らないので、ブログのログをエクスポート出来る内にして、移転を計画しました。結果ほとんど同じ内容のブログを作る事が出来ましたが、前のブログが削除出来ないのは相当痛いです。何しろ管理画面へのログインが出来ない状態ですので、退会も出来なければ削除も出来ません。暫くは放置しておくしかないようです。
何とも自分の馬鹿さ加減が恨めしいのですが、どうかご容赦ください。近日中にプチか創想話に作品を投稿すると同時に、URL移転のお知らせも兼ねさせて頂くつもりです。URLが変わっただけですが、再びよろしくお願いします。
02.04.21:04
作品集19「流れ行く時」ニケ氏
02.03.20:58
連絡。
突然なのですが、このブログにて連載していたSSの更新が止まります。
少し事情がありまして、ブログにSSを掲載し辛くなったんですが、だからと言ってこのまま連載していたSSを放置するわけではありません。近々幻想の詩―紅魔の連―を削除し、その後幻想郷大戦を削除、そしてそれらを元作品を基準に東方創想話に投稿し直したいと思います。
勿論すぐにという訳にはいきませんが、紅魔の連は早めに書き直したいと思っています。この行動に及ぶにあたり、東方創想話を運営なさっているmarvsさんからの許可を頂きました。この場でも感謝を示しておきたいと思います。ありがとうございました。
なので、今後もブログの移転などをしない限りは新たに書く幻想の詩シリーズなども創想話へ投稿する事になると思います。SSの更新が減る分、短いSSなどをプチ創想話に頻繁に投稿したいとも考えているので、またよろしくお願いします。
少し事情がありまして、ブログにSSを掲載し辛くなったんですが、だからと言ってこのまま連載していたSSを放置するわけではありません。近々幻想の詩―紅魔の連―を削除し、その後幻想郷大戦を削除、そしてそれらを元作品を基準に東方創想話に投稿し直したいと思います。
勿論すぐにという訳にはいきませんが、紅魔の連は早めに書き直したいと思っています。この行動に及ぶにあたり、東方創想話を運営なさっているmarvsさんからの許可を頂きました。この場でも感謝を示しておきたいと思います。ありがとうございました。
なので、今後もブログの移転などをしない限りは新たに書く幻想の詩シリーズなども創想話へ投稿する事になると思います。SSの更新が減る分、短いSSなどをプチ創想話に頻繁に投稿したいとも考えているので、またよろしくお願いします。
02.02.20:07
久し振りに普通の更新。
「幻想郷」を投稿してから貰った感想を眺めていて、思う所がありました。
構成についてなのですが、何に当てはめても成り立つような話、もっと奇抜な設定を加えた斬新な物語、そういうものが自分には欠けているのだという事を痛感したような気がします。実際創想話で活躍されている作家様方には奇抜な設定や卓越した表現など、素晴らしい長所を持った方が沢山いらしていて、そういう人達のようなSSを書くには、感想で「構成の甘さ」などを指摘されているようでは到底成し得ない事なのかも知れません。
しかしアイディアという物はそう簡単に捻り出せる物ではありません。時に頭の中にいきなり浮かんでくる事もありますが、それが読者に受け入れられるかどうかなど判ろうはずもなく、結局は自分の力と発想を信じて投稿するしかありません。作品を投稿する上で厳しいハードルがある事は云うまでもない事ですが、私はむしろそういう難度の高さを喜ばしく思います。
例えば自分の作品に一つでも他人に自慢できる要素があるのなら、その自負の元に作品を投稿し、それが褒められたのなら手を打って喜びます。逆に辛辣な感想を貰って消沈する事だって当然ありますし、投稿後の事を考えたとてきりがありません。それならば私は自分の実力を信じて、自分で生み出した作品を投稿し続けたいと思います。
自らの作品を駄文と称する事のないよう、常に毅然とした態度を以て、読者の方々に失礼のないよう、また大いに楽しんでいただけるよう、努力をして行きたいと思っています。そういう信条の元に素晴らしい作品は生みだされて行くのだというのが私の持論ですから。
ふと他の方の作品を見てみた時に、後書きで「駄文ですが」など「拙い文ですが」などと書かれている時は、おこがましいようですが、少し残念に思われます。自分の作品に何も自慢する事が無いのだと作者本人が判じてしまえば、それは本当の駄文に成り下がってしまいます。一つでも信じられる個所があるのなら、そうしてそれを評価してもらえなかったのなら、次を頑張ろうと云う意気込みに繋がる事もあると思います。「信じれば救われる」という言葉は、あながち間違いでもないのかも知れません。
ですので、未だ色々と未熟ですが、次回作を楽しみにして頂けたら嬉しいです。常に万点越えを狙って行く心構えを以て、執筆に励みたいと思う今日この頃。
構成についてなのですが、何に当てはめても成り立つような話、もっと奇抜な設定を加えた斬新な物語、そういうものが自分には欠けているのだという事を痛感したような気がします。実際創想話で活躍されている作家様方には奇抜な設定や卓越した表現など、素晴らしい長所を持った方が沢山いらしていて、そういう人達のようなSSを書くには、感想で「構成の甘さ」などを指摘されているようでは到底成し得ない事なのかも知れません。
しかしアイディアという物はそう簡単に捻り出せる物ではありません。時に頭の中にいきなり浮かんでくる事もありますが、それが読者に受け入れられるかどうかなど判ろうはずもなく、結局は自分の力と発想を信じて投稿するしかありません。作品を投稿する上で厳しいハードルがある事は云うまでもない事ですが、私はむしろそういう難度の高さを喜ばしく思います。
例えば自分の作品に一つでも他人に自慢できる要素があるのなら、その自負の元に作品を投稿し、それが褒められたのなら手を打って喜びます。逆に辛辣な感想を貰って消沈する事だって当然ありますし、投稿後の事を考えたとてきりがありません。それならば私は自分の実力を信じて、自分で生み出した作品を投稿し続けたいと思います。
自らの作品を駄文と称する事のないよう、常に毅然とした態度を以て、読者の方々に失礼のないよう、また大いに楽しんでいただけるよう、努力をして行きたいと思っています。そういう信条の元に素晴らしい作品は生みだされて行くのだというのが私の持論ですから。
ふと他の方の作品を見てみた時に、後書きで「駄文ですが」など「拙い文ですが」などと書かれている時は、おこがましいようですが、少し残念に思われます。自分の作品に何も自慢する事が無いのだと作者本人が判じてしまえば、それは本当の駄文に成り下がってしまいます。一つでも信じられる個所があるのなら、そうしてそれを評価してもらえなかったのなら、次を頑張ろうと云う意気込みに繋がる事もあると思います。「信じれば救われる」という言葉は、あながち間違いでもないのかも知れません。
ですので、未だ色々と未熟ですが、次回作を楽しみにして頂けたら嬉しいです。常に万点越えを狙って行く心構えを以て、執筆に励みたいと思う今日この頃。