11.22.16:33
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03.27.19:16
作品集53「天狗が下駄を脱いだなら」梅凪氏
最後まで読み終えると、何だか穏やかな、けれども何処か心苦しい心持ちになる作品。物語の毛色としては、恋愛的要素をそこはかとなく入れた、ともすれば王道とも称せる作品だったが、登場人物たちの新鮮な姿や思わぬ一面などを上手く纏めているので、飽きる事なく読み終える事が出来る。
頼みがある、と文々丸。新聞の記者、射命丸文に云われ、霖之助は着物を貸し靴を貸し、挙句に人里まで共に同行する事になる。話題の菓子屋にて茶を共にしたり、行った事はごくごく平凡ではあれども、結末には波乱が待っている。微かなる心境の変化は、何処か物寂しく――。
今までに履いた事のない靴を履いて戸惑う文や、慣れない事を云われたりされたりして羞恥を感じたりする初心な一面がとても面白い作品でした。すっきり纏められているので、読後感も好く、何だか心が躍るような雰囲気に惑わされた心持ちがします。個人的にはもっと劇的な展開があれば、もう一度読み直したいと思える作品になっていた、と思いました。
頼みがある、と文々丸。新聞の記者、射命丸文に云われ、霖之助は着物を貸し靴を貸し、挙句に人里まで共に同行する事になる。話題の菓子屋にて茶を共にしたり、行った事はごくごく平凡ではあれども、結末には波乱が待っている。微かなる心境の変化は、何処か物寂しく――。
今までに履いた事のない靴を履いて戸惑う文や、慣れない事を云われたりされたりして羞恥を感じたりする初心な一面がとても面白い作品でした。すっきり纏められているので、読後感も好く、何だか心が躍るような雰囲気に惑わされた心持ちがします。個人的にはもっと劇的な展開があれば、もう一度読み直したいと思える作品になっていた、と思いました。
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