11.22.15:47
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10.28.00:23
幻想の詩―蓬莱の連―#後書き
後書き。
何とか完結。あとはエピローグを残すのみとなりました。
少し後半に粗が目立っているかもと反省しています。妹紅の心境の変化とか、もう少しじっくりと描写して行った方がいいかなと思ったんですが、冗長になり過ぎるのもあれなのでと思い切って削ったのですが、それが却って逆効果になってしまったかも知れないです。何はともあれ、ここまで付き合って下さった方々、ありがとうございます。
物語の背景に置いたのは、閉塞した心です。
私の主観ですが、妹紅も輝夜も同様に、外界から隔絶された世界で生きていたのではないかと思います。二人にはそれだけの地位があり、勝手が許されるような軽い場所で生まれた訳ではないと思うのです。そして偶然か運命か、その二人は出会い、様々な変化を経て今の関係に至る……その中で重要なのが、妹紅の父でした。あくまで憶測の域を出ない推論ですが、彼の死に際は作中で語った通りです。また、彼の人間性も同様に作中で示した通りです。
輝夜に恥をかかされ、自決し、それを輝夜が殺したも同義だと解釈した妹紅が、復讐に生きる。しかし自我が確立して行くにつれて、自分が何のために戦っているのか疑問を持ち、今回の物語が生まれました。妹紅は父親のために殺し合うのは果たして意味のある事なのか疑い始め、またそれを周囲に露呈する事で輝夜に焦りが生まれ、人里に被害をもたらす。永遠を生きていかねばならない輝夜にとって、妹紅は無くてはならない存在でした。永琳が彼女を支える立場に居る者ならば、妹紅は輝夜を輝夜として確立させる要素の一つであったと思うのです。
永遠に続く殺し合いに見切りをつけた妹紅と、殺し合う事で自己を確認するに至る輝夜。二人の考え方のどちらが正しいかなどは分かりません。しかし、そのどちらもが正しいのではないでしょうか。彼女らはただ、永遠という恐ろしく膨大な時間を恐れているだけなのです。そうしてその永遠の時間の中で、独りになるのが淋しいだけなのです。私は輝夜と妹紅をそういう人物なのだと解釈しています。
最後に、私の作品を読んで下さった全ての皆様に感謝を。
ありがとうございました。
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