11.22.16:57
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04.01.01:05
作品集73「お焚き上げ」反魂氏
古文のような古めかしい文体が、詩的に連なって行く、とても綺麗な作品。特筆すべきなのは、文章のリズムであろう。綺麗に整えられているかの如く、読む人の頭の中で弾んで行くように、物語が次々と進行して行く様は、読みながらにして驚嘆を与えられるほどであった。が、中盤では若干息切れしている印象がある。冒頭、そして結末は素晴らしいが、この作品の長さだと、どうしても疲れてしまうのではなかろうか。
読み終えて物語を解した時、誰もが胸に何かを感じるだろう。私の場合、それは「痛み」であった。
さぁさぁ雛を流しましょ。
厄を乗せたら、流しませ。
紙雛載せて、桟俵。
貴女の涙が、晴れるなら。
今日の時雨が已むのなら。――(本文より抜粋)
厄神様と、或る姉妹の物語。
私がとても読みたかった風味の作品でした。まずこの長さでありながら、リズムを決して崩さない氏の力量に感服します。しかし、創想話のコメントにも書いたのですが、情景を飛ばしながら物語が進んでしまい、登場人物たちの感情が流れ込んで来ても、すぐに流れて行ってしまうのが、欠点として数えられるかなと思います。
文体からしてよく読み込まなければ状況の把握などが難しいので、その点では却ってリズムの良さが仇となっている気がしました。つまり「読ませる文章」ではあるけれども「伝える文章」としては質が足りない、と書いたのです。尤も私の感想が正しいか否かは判らないのですが。
個人的には、こういった形式のSSではなく、普通に書いた物語と、詩を絡めた作品が読みたいと思いました。じっくり「読ませ」、じっくり「伝える」、そんな作品になっていたなら、私には百点以外は付けられなかったに違いありません。
読み終えて物語を解した時、誰もが胸に何かを感じるだろう。私の場合、それは「痛み」であった。
さぁさぁ雛を流しましょ。
厄を乗せたら、流しませ。
紙雛載せて、桟俵。
貴女の涙が、晴れるなら。
今日の時雨が已むのなら。――(本文より抜粋)
厄神様と、或る姉妹の物語。
私がとても読みたかった風味の作品でした。まずこの長さでありながら、リズムを決して崩さない氏の力量に感服します。しかし、創想話のコメントにも書いたのですが、情景を飛ばしながら物語が進んでしまい、登場人物たちの感情が流れ込んで来ても、すぐに流れて行ってしまうのが、欠点として数えられるかなと思います。
文体からしてよく読み込まなければ状況の把握などが難しいので、その点では却ってリズムの良さが仇となっている気がしました。つまり「読ませる文章」ではあるけれども「伝える文章」としては質が足りない、と書いたのです。尤も私の感想が正しいか否かは判らないのですが。
個人的には、こういった形式のSSではなく、普通に書いた物語と、詩を絡めた作品が読みたいと思いました。じっくり「読ませ」、じっくり「伝える」、そんな作品になっていたなら、私には百点以外は付けられなかったに違いありません。
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