11.22.17:02
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03.29.23:45
作品集72「青空で会いましょう」蛸擬氏
自らの能力に於いて、動力源たるものは一体何か。単純かつ明快な質問の元にもたらされる霊夢への葛藤に似た知的探求心。それが次第に解明されて行く様が、疾走感に合わせて進んで行く中で語られて行く様が、とても面白かった作品である。個人的な物言いとして、短編では物足りなかったというのはあるが、それでも斬新な設定と丁寧な描写が織りなす物語は充分に楽しめる。
短編なのであっさりと読み終える事も、この作品の長所の一つだが、この作品にある重量というのは更なるボリュームの中に初めて姿を現すのではなかろうか。
何気ない夏の一時をぼんやりと過ごす中、魔理沙は唐突な質問を投げかける。単なる好奇によるその疑問を解消するには、霊夢には言葉が足りない。そんな彼女を汲み取って、魔理沙はある勝負を持ちかける。
高い文章力がありながら、それを読ませる事を苦にさせない文体がとても印象的でした。そうして霊夢の内面を描写しながらも衰えぬ速度の元に進行する物語が面白い。
個人的に欲しかったのは、やはりボリューム。氏の文章力があれば長くとも読ませるだけの力があるように思いました。それともう一つを付け加えるのなら、魔理沙の台詞や、それに対する霊夢の行動に重さが欲しかった。何も暗い重量ではなく、深み、とでも云えばいいのでしょうか、とにかくそういうものを見たく思います。それを踏まえた上でもう一度批評するならば、この作品は物語に内包している重量を、完全に抱え込めていない作品。これを包む布がもう少し広ければ、更に読み応えのあるものになっていたのではないでしょうか。
短編なのであっさりと読み終える事も、この作品の長所の一つだが、この作品にある重量というのは更なるボリュームの中に初めて姿を現すのではなかろうか。
何気ない夏の一時をぼんやりと過ごす中、魔理沙は唐突な質問を投げかける。単なる好奇によるその疑問を解消するには、霊夢には言葉が足りない。そんな彼女を汲み取って、魔理沙はある勝負を持ちかける。
高い文章力がありながら、それを読ませる事を苦にさせない文体がとても印象的でした。そうして霊夢の内面を描写しながらも衰えぬ速度の元に進行する物語が面白い。
個人的に欲しかったのは、やはりボリューム。氏の文章力があれば長くとも読ませるだけの力があるように思いました。それともう一つを付け加えるのなら、魔理沙の台詞や、それに対する霊夢の行動に重さが欲しかった。何も暗い重量ではなく、深み、とでも云えばいいのでしょうか、とにかくそういうものを見たく思います。それを踏まえた上でもう一度批評するならば、この作品は物語に内包している重量を、完全に抱え込めていない作品。これを包む布がもう少し広ければ、更に読み応えのあるものになっていたのではないでしょうか。
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